ひぐらしのなく頃に解

　9月18日に起きた女子生徒が斧で父親を殺害した事件を発端に、斧や鉈を使って人を襲う事件が相次いで発生している。これに対して、一部の報道では、アニメドラマ『ひぐらしのなく頃に解』と関係があるのではないかと報じた事で、『ひぐらしのなく頃に解』の放送休止が相次ぎ、ついにテレビ埼玉では放送中止を決定した。

　この事を受けて、『ひぐらしのなく頃に解』の「アニメ公式サイト」では、10月5日に声明を発表した。転載は禁じられているので要約する。

　「委員会としては、この一連の事件と『ひぐらしのなく頃に』という作品は関連性がない事、作品を通じて伝えたいメッセージが、殺人や傷害を全否定するものである事などから、この「ひぐらし」という作品を、視聴者に理解していただけるように放送は必ず続ける」

と記載されていた。詳しくは「公式サイト」に全文が掲載されている。制作委員会は、放送続行を押し出した声明を発表した。

　そして、10月8日、2クール目の第1回放送となる『祭囃し編』が、サンテレビ、千葉テレビで開始した。それに伴って、オープニングが『祭囃し編』仕様に一部変更されている。

　事件を受けて、事件を想起させるカットは差し替えられていた事を含め、『ひぐらし』のオープニングが変更されたのはこれが2回目である。

　オープニングは、『祭囃し編』でキーとなる部分を挿入するために、差し替えや構成変更を行ったものである。

　なお、『皆殺し編（第13話）』では、登場人物が鉈を持って、それで峰打ちするシーンがあったが、それについては大きな反響は起こらなかった。

　ここ十数日の間アニメドラマ『ひぐらしのなく頃に』で起こっていた混乱も、収束を迎えていると言えるのではないだろうか。

　京都府内で少女（16）が父親（45）を殺害した事件に類似のシーンがあるとして、アニメ『ひぐらしのなく頃に解』や『School Days』を放送中止したテレビ局があった。

　とくに『School Days』は休止されたのが最終回とあって、楽しみにしていたファンをがっかりさせた。また『ひぐらしのなく頃に解』には「放送をやめないで」とのファンの声がテレビ局に届いている。そのなかでテレビ埼玉は、事件直後放送を続けていたが、13話が終了した時点で「放送休止」とするなど、局の対応はバラバラとなった。

　『ひぐらしのなく頃に解』を放送していたのは、東海テレビ、サンテレビ（神戸）、KBS京都、千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川、アニメ専門チャンネル「AT-X」。

　『解』は、前作『ひぐらしのなく頃に』の続編。登場人物である一人の少女が鉈（なた）を使って殺人を犯すシーンが番組中に含まれていたことなどを理由に、事件直後は放送休止にした局もあった。

　前作『ひぐらしのなく頃に』は、「鬼隠し編」「綿流し編」「崇殺し編」「暇潰し編」と、サブストリーが別れていた。『解』でも「目明かし編」「罪滅し編」「皆殺し編」「祭囃し編」とに別れている。『解』は13話で「皆殺し編」が終了。14話からは、「祭囃し編」に続く予定だった。

■「事件を想起させる」と放送休止

　13話を今週放送したテレビ埼玉は、「事件直後は休止しませんでした。しかし、今後、放送を再開するめどは立っていない」とし、現時点で、14話以降の打ち切りを決めている。