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 Microsoftは、第2世代となる自社デジタル音楽プレーヤー「Zune」を発表した。また、自社オンライン音楽ストアで、DRMなしの楽曲を100万曲提供することも発表した。

 Microsoftは10月2日、フラッシュメモリを搭載した機種を含め、Zuneの最新モデル3機種を発表した。3機種とも2007年11月に出荷を開始する。4Gバイト搭載機種と8Gバイト搭載機種はAppleの「iPod nano」のような外観で、希望小売価格はそれぞれ149ドルと199ドル。80Gバイト搭載機種はハードドライブを搭載しており、希望小売価格は249ドル。価格体系はiPodとまったく同じとなる。

 最新版ではソフトウェアを完全に見直し、音楽ストア「Marketplace」を再設計している。この他の特徴として、無線での同期機能、「Zune Pad」とよばれるタッチセンサ技術がある。Zune Padにより、ユーザーは、メインのナビゲーションボタンをクリックする代わりにスライドすることで操作できる。

 4Gバイトと8Gバイトの2機種では、はじめてフラッシュメモリを搭載、色は赤、ピンク、黒、緑の4色を用意する。80Gバイトモデルは3.2インチ画面を持ち、現行の30Gバイトモデルよりも薄く、小さくなった。ソフトウェアアップグレードは、30Gバイトのソフトウェアも対象となる。

 最新のZuneは、自宅の無線ネットワークに接続すると自動で同期を開始する。この機能により、ユーザーはポッドキャストなどのコンテンツを常に最新のものにして外出できるという。

 Zuneの音楽ストアでDRMなしのMP3フォーマットで楽曲を提供するという今回の動きはMicrosoftには新しいものだが、驚きではない。MicrosoftはDRMソフトウェアを提供する主要プロバイダだが、それだけではなく、Microsoftの幹部は、2007年2月にAppleとAppleのCEO、Steve Jobs氏が音楽業界にDRMの放棄を訴えたとき、これを酷評していた。

 だがその後の4月、Microsoftは意見を180度変え、Marketplaceで将来、DRMフリーの楽曲を提供すると述べた。

 100万曲と聞くと多いと感じるが、Microsoftは主要レコード会社4社の比率を明らかにしていない。eMusicはすでに200万曲以上をDRMフリーで提供しており、そのほとんどがインディーズのものだ。5月にはAppleがEMIと提携し、「iTunes」でDRMフリーの楽曲を提供すると発表した。AppleはDRMフリーの楽曲を何曲提供するのかについて、数字を明らかにしていない。

 IDCのアナリスト、Susan Kevorkian氏は、MicrosoftはDRMソフトウェア提供よりも音楽プレーヤー販売の方を重視している、と見ている。Kevorkian氏によると、MicrosoftはZuneの改良に多くのリソースを費やすため、2006年よりDRM分野の取り組みを縮小しているという。

 しかし、最新モデルでAppleに追いつけるだろうか?最新のZuneは確かに進歩しているが、Microsoftウォッチャーたちは、iPodに匹敵するものではないと見ている。

 Gartnerのリサーチ担当バイスプレジデント、Van Baker氏は、Microsoftの音楽カテゴリへの進出について、「自分たちの立場を堅持している」と述べる。「Microsoftのいる(Appleのシェアを除いた残り約30%を巡って戦いを繰り広げている)グループの中では、Microsoftは挑戦者といえる。Appleのシェアを侵食しているか、追いついているか?私はそうは思わない」(Baker氏)